個人の話で恐縮ですが,左右の視力が極端に違う,いわゆるガチャ目
(不同視)です。
適切な矯正にはコンタクトしかなく,学生の頃から30年以上(片目だ
け)使用しているのでもう慣れっこなのですが,最近は年齢,そして
スマホ文化(と“のめり込み”の理由を言い訳)の普及でさらに視力
低下(残念ながらこれは両目とも)が進行している気がします。
そんな中,「
近視の進行抑制を目的とする点眼剤を承認」というニュ
ースを見ました。
日本初となる近視の進行抑制を目的とする点眼剤リジュセア®ミニ点眼液
0.025%(アトロピン硫酸塩点眼液)の国内における製造販売承認を取得
この製剤はアトロピン硫酸塩水和物を含有しており,ムスカリン受容
体の可逆的拮抗薬であるアトロピンが,ムスカリン受容体の活性化
を阻害することで,網膜又は強膜に直接的もしくは間接的に作用し,
強膜の菲薄化 (ひはくか) を阻害することで,眼軸の伸長を抑制する
と考えられているそうで,とても大雑把に言うと,近視の原因の一つ
である,像を結ぶ距離が長くなることを抑え,進行を防ぐ,というこ
とのようです。
ただ,“進行抑制”の対象は小児とのこと。残念ながら幅広い年齢対
象ではないようです。とはいえ,
2023年度調査では小学校で37.7%,
中学校で60.9%,高等学校で67.8%が近視という結果があるとのこ
とで初期のうちの対応が大事ですね。
デジタル移行への弊害か適応かはともかく,“よく見えること”の有難味
は身をもって知っているつもりなので,QOL改善のための興味深い医薬品
が登場したと感じます。
(薬価基準未収載のため,保険適用はないようです)
(わ)