A:
もう先に書いてしまいますが、日本薬局「方」ですからね。薬局「法」ではござい
ません。けっこう間違えやすいんですよね。
さて・・・。
厚生労働省によると、日本薬局方とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び
安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)の規定により、「医薬品の
品質を適正に確保するために必要な規格・基準及び標準的試験法等を示す公的な規
範書」と位置付けられています。医薬品医療機器等法の41条では、「厚生労働大臣
は、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事審議会の意見を聴いて、日本薬
局方を定め、これを公示する」とあり、少なくとも10年ごとに日本薬局方の全面に
わたって薬事審議会の検討が行われるよう規定しています。大枠は10年ですが近年
の急速な科学技術の進歩や国際調和事項を反映させるため、現在では5年ごとの大
改正・追補改正に加え,適宜部分改正を行うとしています。
日本薬局方の歴史は古く、1886年(明治19年)6月25日に日本薬局方初版が公布さ
れ、その後、医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改定が行われ、最新は2022年
12月12日適用、経過措置を経て2024年7月1日から第18改正日本薬局方第一追補
となります。
日本薬局方の構成は通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条で構成
され、収載医薬品は日本国内で汎用されている医薬品が中心となっています。製剤
全般に共通する事項を記載している「製剤総則」では、製剤各条として、剤形の定
義、製法、試験法、容器・包装など示しており、例えば、①錠剤は、「経口投与す
る一定の形状の固形の製剤」②口腔内崩壊錠は、「口腔内で速やかに溶解又は崩壊
させて服用できる錠剤」③散剤は、「経口投与する粉末状の製剤」④注射剤は「皮
下、筋肉内又は血管などの体内組織・器官に直接投与する、通例、溶液、懸濁液若
しくは乳濁液、又は用時溶解若しくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤」-など
と規定し、製法や試験方法等を記述しています。
日本薬局方は、日本国内で繁用されている医薬品を中心に収載されていますが、中
国、欧米各国でもそれぞれ作成され、日本薬局方は英文版も作成されています。
ち・な・み・に。
なにげなく読んでしまったかもしれませんが、日本薬局方の制定は1886年。なんと
今から130年も昔の話です。1886年。その年に生まれたのは石川啄木、平塚雷鳥、
フルトヴェングラー、谷崎潤一郎、萩原朔太郎。そのうち大学入試の問題になるか
も・・・!?