弊社刊行の月刊誌『新薬と臨牀』では,毎号,医学・薬学に関する研究論文のほか,
編集部企画の連載記事も掲載しています。
その中の1つ “指定難病最前線” では,毎回1つの指定難病を取り上げ,
その難病に精通されている先生に,
特徴や診断法,最新の知見などをご執筆いただいています。
すでにご存じ方も多いと思いますが,指定難病は,
・発病の機構が明らかでない
・治療方法が確立していない
・希少な疾患である
・長期の療養を必要とする
・患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しない
・客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立している
のすべての要件を満たすものとして,厚生労働大臣が定めるもので,
2024年3月5日現在,338の疾患が指定難病とされています。
その指定難病に来月から新たに
・MECP2重複症候群
・線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)
・TRPV4異常症
の3つの疾患が追加されることになりました。
また以下の5疾患が,これまでの名称から変更されます。
・成人スチル病→成人発症スチル病
・神経フェリチン症→脳内鉄沈着神経変性症
・禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症→HTRA1関連脳小血管病
・ペリー症候群→ペリー病
・マルファン症候群→マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群
指定難病は患者数が少なく,治療法も確立していないことなどから,
医療者に周知されていないことがあるかもしれませんし,
患者さん・患者さんのご家族は常に不安であると思います。
『新薬と臨牀』の“指定難病最前線” が
医療者の方,患者さん・患者さんのご家族の一助になれば幸いです。
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