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よく耳にする団体・・・といいますか集合体「中医協」。
病院,診療所などの保険医療機関が提供する医療サービスの対価として医療保険制度
から支払われる診療報酬は,診療行為(項目)ごとに単価が決められています。この診
療報酬の点数を決めるのが厚生労働省に設置されている中央社会保険医療協議会(中医
協)です。
<解説1>
中医協は,社会保険医療協議会法で委員構成が規定されており,同法第3条で,中医
協は委員20人をもって組織され,同条1号は「健康保険,船員保険及び国民健康保険
の保険者並びに被保険者,事業主及び船舶所有者を代表する委員7人」,同2号は「医
師,歯科医師,薬剤師を代表する委員7人」,同3号「公益を代表する委員6人」とな
っています。公益委員は国会の承認が必要になります。
つまり同法3条の1号に規定されているのが医療機関に診療報酬を支払う側,同法3
条の2号で規定されているのが診療側ということです。以前は中医協に関する記事など
で,1号側委員,2号側委員と言われていましたが,最近ではもっぱら支払い側委員,
診療側委員と言われるようになりました。以前は,支払側の健康保険組合連合会につい
ては所在地から「乃木坂」,診療側の日本医師会は所在地の「駿河台」(現在の所在地・
「本駒込」はあまり使われていません)と呼ばれたりもしました。
<解説2 さらに詳しく>
支払い側委員は,健康保険組合連合会,連合,協会健保などから委員が選任されます。
診療側委員は医師,歯科医師,薬剤師で構成されています。
近年ではほぼ2年に1回改定が行われるようになりましたが,中医協の審議では,診
療報酬を支払う側と支払われる側で厳しい駆け引き,議論が行われます。話し合いがま
とまらなければ公益委員が間に入って調整しますが,それでも合意できない場合は,厚
生労働大臣の権限(職権)で診療報酬改定を行うこともできます。
ちなみに,国民の代表としての公益委員は大学教授などの学識経験者,マスコミ関係
者から委員が選ばれていますが,3号側委員とは言われていません。
なお,中医協の会長は,各側委員による互選で,公益委員から選ばれます。