医情研通信 Column & Blog

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どこでどう死にたいですか

2023年6月13日

今月2日,厚生労働省から令和4年度の
「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」の結果が発表されました。

この意識調査は,一般国民・医療者(医師・看護師)・介護支援専門員を対象に
5年ごとに行われているものです。

2018年に厚生労働省は,アドバンス・ケア・プランニング
(ACP;人生の最終段階における医療・ケアについて,
家族や大切な人,医療・ケアのチームと繰り返し話し合う取り組み)を
「人生会議」と名付け,広く国民に知ってもらおうと普及に努めてきました。

死ぬ時にどうしたいかを考えておいてね,ということです。

しかし,調査結果をみると
一般国民の7割以上が人生会議(ACP)を「知らない」と回答しており,
さらには肝心の医療者も半数以上が
「聞いたことはあるがよく知らない」「知らない」と答えています。
国民の結果はまあそんなものかな,と思いましたが,
医療者も半数以上が知らないとは意外でした。

興味深かったのは「最期をどこで迎えたいですか」という質問に対し,
医療者・介護支援専門員では6割近くが「自宅」と回答したのに対し,
一般国民で「自宅」を選んだのは4割程度だったことです。
「人生の最終段階」での医療・ケアをどこで受けたいかという質問に対しても,
「医療機関」と回答したのは医療者では4割前後,
介護支援専門員では約3割
だったのに対し,
一般国民は5割以上が「医療機関」を選んでいました。
さらに,「人生の最終段階」で心臓や呼吸が停止した時,
蘇生処置を希望するかという質問に「望む」と回答したのは
医療者では5%前後であったのに対し,
一般国民では20%を超える人が「望む」と回答していました。

両者の医療機関や在宅医療,
最終段階での医療処置に対するイメージに乖離があるように思え,
間違ったイメージは正したほうがいいように思いますが,
最期は家がいいよ,何もしないのがいいよ,と価値観を押し付けられることなく
どこであっても本人が望む医療・ケアが受けられるといいですね。

そのためにも「人生会議」という名称はともかく,
最期をどんなふうに迎えたいかを普段から考えておくことは
大事なことかもしれません。

(梅)
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