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いきなり身もふたもないカッコ悪いことを書きますが、この業界にいる以上、少しは
知ったかぶりをしたいではありませんか・・・業界「外」の人たちに。誰に? 例えば、
昔の友人たちに。あるいは家族・親戚筋に。もしくはつきあい始めの彼氏彼女に。
しかし知ったかぶりったって「この業界の4大卸会社はね・・・」なんて話をしても、
当然ながら食いつきが悪い。当たり前ですな。では経験上、世間一般の食いつきがいい
話とはなにか? そのひとつが「この医薬品と○○は、絶対一緒に服用してはいけない」
という“飲み合わせ”の話。もちろんこの情報社会ですから、業界外でも知っている人は
知っています。が、相手が知らなかった場合、案外、モテるという話です。
その1
「グレープフルーツ(ジュース)は、降圧薬(カルシウム拮抗薬)と一緒に飲んではい
けない」
有名な話です。有名な理由は「グレープフルーツ(ジュース)」と、かなり限定され
ているせいもあるかもしれません。どういう影響があるのか・・・。降圧薬のうち、末
梢の血管を拡げて血圧を低下させるカルシウム拮抗薬と、グレープフルーツを併用して
しまうと、血圧が下がりすぎてしまうことがあるのです。グレープフルーツに含まれる
フラノクマリン類という物質が、代謝酵素を阻害することで、カルシウム拮抗薬の代謝
が妨げられ、体内での医薬品の濃度が上がり、効果が強くなってしまうことが原因。症
状としては、ふらふらしたり、胸がドキドキする、あるいは頭痛。ちなみに同じ柑橘類
でも、みかんやオレンジ、レモンなどにはこのフラノクマリン類は(ほとんど)含まれ
ていないそうです。
その2
「牛乳と一緒に飲んではいけないもの。それは抗生物質と便秘薬」
全部の抗生物質がダメというわけではありません。が、一部の抗生物質は、牛乳と一
緒に飲むことで、牛乳に含まれるカルシウムやマグネシウムと薬の成分が結合し、体に
吸収されにくいキレートとよばれる構造を作ります。それにより、腸から医薬品成分が
吸収されなくなってしまうのです。ちなみに便秘薬の場合、牛乳と一緒に飲むと腸に届
く前に胃で溶けてしまい、効果がなくなってしまいます。ヨーグルトなどの乳製品も同
様です。
その3
「胃薬(制酸剤)と炭酸飲料はダメ」
制酸剤は胃酸を中和するための薬です。しかし炭酸飲料と一緒に飲んでしまうと、“炭
酸の中和”に働いてしまい、胃酸を中和するという本来の働きが弱まります。なので×。
また、制酸剤と牛乳の飲み合わせも、頭痛や吐き気といった副作用を招くことがあり
ますので、こちらもご注意を!
食材の組合わせが悪いとされる言い伝え「合食禁(がっしょくきん)」の代表。
「天ぷらとスイカ」 (画像:wikipedia「合食禁」のページより引用)