A:
<はじめに>
このコラムは「我が社の新人教育用資料」です。
いや、なにが言いたいんだって話ですが、今後、何回かに分けて「覚えておきた
い医薬品」を載せていきます。これはあくまでも“我が社の先輩社員”が“入社した
ばかりの新人”に、“この医薬品くらいは覚えておいてね”という基準で選んだもの。
この薬効群ならこっちの医薬品じゃないか?とか、どうして我が社の医薬品が入って
ないんだ、など、おしかりもあるでしょうが、選択基準は“先輩が選んだ”この一点で
す。それをご了解いただいた上でお読みください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高齢化社会と共に、親が親せきが知人が・・・と、認知症が他人事でなくなってきて
いる方も多いのでは?
認知症はアセチルコリンという神経伝達物質の減少や低下が原因のひとつとされています。
認知症の医薬品は大きく分けて2つ。ひとつはこのアセチルコリンを分解してしまう
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)という物質の作用を阻害し、認知症の進行を抑
えるAChE阻害薬。
もうひとつが、認知症の患者さんはグルタミン酸の受容体が過剰に活性化しています
が、これを抑えるメマンチン。
前者、AChE阻害薬の代表・・・というか、認知症薬の代表薬が、日本初となるアルツハ
イマー病治療薬「アリセプト」。一般名はドネペジル塩酸塩。アルツハイマー型認
知症およびレビー小体型認知症の症状進行を抑制する薬です。エーザイ株式会社の代表
的医薬品のひとつ。また2023年には、日本初の貼付薬「アリドネパッチ」(帝國製薬)
も発売されました。
AChE阻害薬の他の成分の代表は「レミニール」。一般名はガランタミン臭化水素
酸塩です。メーカーはヤンセン。アリセプトが1日1回投与なのに対し、レミニールは1日
2回投与です。
一方、後者の医薬品は「メマリー」。一般名はメマンチン塩酸塩。製造販売は第
一三共。中等度以上の認知症に使用され、1日1回、食事の時間に関係なく、服用できま
す。
というわけで、ど~せなら覚えちゃお!
「アリセプト」「レミニール」「メマリー」
ジェネリックも多数出ています。
・・・・
仕事だと思うと、どうしても覚えられない。かと言って、せっかくこのコラムを読ん
だんだから、それを無駄にはしたくない。カタカナならカタカナでいいんだ。でも同じ
カタカナなら、もう少し役に立つ・・・そう、クイズ番組なんかで家族に自慢できるよ
うなことを覚えたいのだが、どうだろう・・・というあなたへ。
仕方ないですねー。でも気持ちはわかります。
では今日のところは「バルト三国」を覚えましょう。バルト三国、バルト海の東岸、
フィンランドの南に南北に並ぶ3つの国。
北からエストニア、ラトビア、リトアニア。