今日
9月28日は,
世界狂犬病デーです。
世界で初めて
狂犬病のワクチンを開発したフランスの細菌学者
ルイ・パスツール(Louis Pasteur)の
命日(1895年9月28日)にちなみ設定されました。
パスツールは,感染症やワクチン研究で世界的に有名なパスツール研究所の設立者でもあります。
さて,狂犬病というと,過去の感染症と思われる方も少なくないのではないでしょうか。
たしかに長い間,日本国内では狂犬病の“発生”はありません。
とはいえ,近隣のアジアやアフリカ諸国を中心に,世界的にはまだ狂犬病がなくなったわけではありません。
実際,昨年来日していたフィリピン人男性が狂犬病を発症したことが確認されました。
この患者さんは,フィリピンで犬に噛まれ感染していたようで,
実に,日本国内で狂犬病患者が確認されたのは14年ぶりだそうです。
狂犬病に罹った人にはどういった症状が出るのかというと,
前駆期症状として,発熱,食欲不振,咬傷部位の痛みや掻痒感が,
急性神経症状期に入ると,不安感,恐水・恐風症状,興奮性,幻覚,精神錯乱といった神経症状が発現します。
そして
昏睡期に入ってしまうと,呼吸障害によりほぼ100%が死亡してしまうそうです。
残念ながら,現代の医学では
狂犬病を発症してしまったら
有効な治療法はありません。
なお,狂犬病は犬だけでなく,キツネやアライグマ,コウモリなどの動物に引っかかれたり,
咬まれたりすることによって感染することもありますのでご注意を。
ところで,いまはコロナ禍のため,世界中で海外渡航を控えている人は少なくないと思いますが,
新型コロナウイルス感染症が落ち着けば,コロナ禍以前のような海外渡航がなされるでしょうか。
厚生労働省 検疫所のホームページには
「海外渡航のためのワクチン」の一覧が掲載されています
(
https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html)。
海外渡航をお考えの方はもちろん,興味のある方も一度ご覧になってはいかがでしょうか。
行き先によっては,渡航前のワクチン接種をお忘れなく。
何はともあれ,コロナ禍以前のように自由に海外に行けるよう,
まずは一刻も早く,新型コロナウイルス感染症が終息することを願うばかりです。
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