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βグルカンと糖尿病

2021年6月22日

食品からβグルカンを摂取して,
糖尿病を予防しようというお話です。

βグルカンは,水溶性食物繊維で,
糖の吸収を緩やかにし,腸内細菌のエサになります。

腸内細菌はエサを食べて短鎖脂肪酸という物質を産生します。

短鎖脂肪酸は,小腸下部から大腸にかけて存在するL細胞を刺激します。

L細胞はGLP-1分泌を刺激します。

GLP-1ってご存じですか。
GLP-1は食事刺激で分泌されるホルモンで,
以下のような働きをします。

・インスリン分泌促進
・グルカゴン分泌抑制
・食欲抑制など

糖尿病の患者さんでは,このGLP-1の分泌が低下しているため,
GLP-1分解酵素阻害薬(DPP-4阻害薬)やGLP-1受容体作動薬の投与が
推奨されるようになってきました。

そこで,食品からβグルカンを摂取して,
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸を増やしてL細胞を刺激し,
GLP-1分泌を刺激すれば,自分でも出来る効果的な糖尿病予防対策になりそうですね。

水溶性食物繊維であるβグルカンは様々な食品に含まれますが,
押し麦やオーツ麦(オートミール)に特に多く含まれます。

推奨されるβグルカンの1日摂取量は3g以上
押し麦では50gオートミールでは100gぐらいです。

主食の代わりとしてそんなに無理のない量ですし,
どちらもスーパーで気軽に手に入る食品なので,
糖尿病が気になる方はぜひ試していただけたらと思います。

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