食品からβグルカンを摂取して,
糖尿病を予防しようというお話です。
βグルカンは,水溶性食物繊維で,
糖の吸収を緩やかにし,腸内細菌のエサになります。
腸内細菌はエサを食べて短鎖脂肪酸という物質を産生します。
短鎖脂肪酸は,小腸下部から大腸にかけて存在するL細胞を刺激します。
L細胞はGLP-1分泌を刺激します。
GLP-1ってご存じですか。
GLP-1は食事刺激で分泌されるホルモンで,
以下のような働きをします。
・インスリン分泌促進
・グルカゴン分泌抑制
・食欲抑制など
糖尿病の患者さんでは,このGLP-1の分泌が低下しているため,
GLP-1分解酵素阻害薬(DPP-4阻害薬)やGLP-1受容体作動薬の投与が
推奨されるようになってきました。
そこで,食品からβグルカンを摂取して,
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸を増やしてL細胞を刺激し,
GLP-1分泌を刺激すれば,自分でも出来る効果的な糖尿病予防対策になりそうですね。
水溶性食物繊維であるβグルカンは様々な食品に含まれますが,
押し麦やオーツ麦(オートミール)に特に多く含まれます。
推奨されるβグルカンの1日摂取量は3g以上。
押し麦では50g,オートミールでは100gぐらいです。
主食の代わりとしてそんなに無理のない量ですし,
どちらもスーパーで気軽に手に入る食品なので,
糖尿病が気になる方はぜひ試していただけたらと思います。
さ