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下手なダイエットはしない方がいい

2020年7月7日

減量は,体にとっては飢餓状態です。

飢餓状態には,ざっくり2段階あって,
最初の4~5日間とそれ以降にわけられます。


--まず,最初の4~5日間--


外からエネルギーが入ってこなくなると,
体はとりあえず,身近にある使えそうな貯蔵エネルギーを利用してしのごうとします。

そこでまずは肝臓が,肝臓内にあるグリコーゲンを取り崩してグルコースを作ります。

しかしこれは数時間で枯渇。

それではと,筋肉や赤血球,白血球が乳酸やピルビン酸を提供し,これらを使って肝臓がグルコースを作ります。

しかしこれでも全然足りない。

そこで,筋肉が身を削って自身のタンパク質をアミノ酸に分解し,肝臓がこのアミノ酸からグルコースを作ります。

最初の数日はこれでしのぎます。


--そして,それ以降--

それでも飢餓状態がつづくと,体は,
こりゃまずい,このまま筋肉を削るわけにはいかない
と,方針転換を開始します。

グルコースを作るのはもう無理じゃね,とばかりに,
エネルギー源をグルコースに頼るのをやめます。

そこで活躍するのが脂肪細胞です。

脂肪細胞はたっぷり貯め込んである脂肪(トリグリセリド)を分解して脂肪酸をつくり,放出します。

これまでグルコースを使ってエネルギーを作っていた細胞たちも,
こんな時代だから仕方ないよね
とばかりに,脂肪酸を使ってエネルギーを作るようになります。

また,肝臓ではその過程でケトン体もついでに作り,放出。
グルコースが大好物だった脳も,
ケトン体を使ってエネルギーを作るようになります。

そうすると,脂肪がぐんぐん燃える。

よく,『ケトン体質になろう』とか『ケトジェニックダイエット』というのは,このことですね。

日頃,飢餓状態になることが少ない我々は,
3食きちんと糖質を摂り,ケトン体に頼るまでにはならないので,
ケトン体をうまく使うことができません。

やったことがない人も多いと言っても過言ではない。
なので,ケトン体を上手に使えるようになるまで,
2週間から2カ月くらいかかるらしいですよ。

ちなみに,ケトン体をうまく使えるようになるまで,
せっかく作られたケトン体は使われることなく排泄されるので,
尿や汗や息が臭くなります(ケトン臭)。
甘酸っぱく,果物が腐ったような臭いです。

というわけで,ダイエットを最初の5日間でやめる,
を繰り返していくと,ただただ筋肉が落ちていくという。。。

下手なダイエットならしない方がいいですね。

(さ)
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