5月なのに既に各地で猛暑日を記録,
一昨日の最高気温は北海道佐呂間町で39.5度だったとか。
今日28日は東京では少し温度上昇が落ち着いた感がありますが,
水分補給など,体調管理に努めたいものです。
さて,本日は報告・新キット製剤の告示がありました。
先週は新薬収載がありましたので,恒例の?名称由来を見ていきましょう。
(主にIFから,判明したものを掲載)
■ロスーゼット配合錠LD/HD
配合成分の一般名であるロスバスタチン(Rosuvastatin)及び
エゼチミブ(Ezetimibe)から命名
■アセレンド注100μg
亜セレン酸ナトリウムの「亜セレン(ASELEN)」+「酸(aciD)」より命名
■レブコビ筋注2.4mg
名称の由来:REVIVE+RECOVERY に由来
■スマイラフ錠50mg/100mg
「Smile」と「Rheumatoid Arthritis」と「Life」を用いた造語に由来
■リサイオ点滴静注液100mg
生まれ変わった(Reborn)チオテパ(Thiotepa)
■ピリヴィジェン10%点滴静注5/10/20g
安定剤としてProlineを使用したIVIGに由来
今回,名称的にも興味深いのがリサイオ(点滴静注液100mg)。
生まれ変わった(Reborn)チオテパ(Thiotepa)―成分であるチオテパは,
国内では抗悪性腫瘍剤「テスパミン注射液」として薬価収載されていましたが,
原薬の製造中止により薬価削除(2011年3月)となっていました。
一方で,欧州では血液疾患及び固形腫瘍に対して,造血幹細胞移植の前治療
として他の化学療法剤との併用により数十年間にわたり臨床使用されており,
“well-established medicinal use”に相当する医薬品との位置づけで
非臨床試験及び臨床試験を新たに実施することなく,公知情報(文献)に
基づく承認を取得しました(2010年/Tepadina(ADIENNE 社)/
「成人および小児における造血幹細胞移植の前治療」の効能・効果として)。
国内では,チオテパの供給やTepadinaの承認状況を踏まえ,国内の学会から
未承認薬・適応外薬の要望書が提出され,今回の収載につながりました。
リサイオは,以前収載されていたテスパミンとは効能・効果は異なりますが
(リサイオの効能「小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療」),
使用実績や安全性情報の評価などでテスパミンの情報を用いたとのことです。
“シーズ”の枯渇が叫ばれる昨今,過去にあった,あるいは開発断念となった成分の見直し・
転換等で再び脚光を浴びるものも増えていくかもしれませんね。
(わ)