師走に入り,何かと忙しい時期になってきました。
最近は毎晩寝る前に,もうあといくつ寝たらお正月が来るんだろう…
とちょっと本気で思うこの頃。
そんなわけで気が早いですが,お正月の定番「お雑煮」の話題です。
ご当地キャラやB級グルメなど,ご当地モノが話題となることが多い昨今ですが、
お雑煮も地域によってかなり違う,いわば伝統的なご当地グルメだということをご存知でしょうか?
違いは主に4つ。
★餅の形(角餅か丸餅か)
★餅の調理方法(焼くか煮るか)
★味付け
★具材
本来,お餅の形とはついたものを1つずつまとめていたことから
丸いものが一般的だったようですが,
現在は岐阜辺りを境に,東日本は角餅(切り餅)
西日本は丸餅といったように東西で形がはっきりと分かれるそうです。
一説には江戸時代に江戸の人口が多かったことから
大量生産のためにのし餅をつくり,それを切った角餅が普及したともいわれていますが
武家文化が発達した東日本では(敵をのす)という縁起から,
のした餅を好んだという説などもあります。
お餅の調理方法についても地域によって違いがあるとか。
角餅文化の地域では,焼いた餅を汁に入れるところが多いようですが
丸餅文化の地域では餅は焼かずに煮るところが多いようです。
でも地域によっては角餅を煮る,丸餅を焼くところもあるそうなので
大きく4パターンに分けられます。
味付けは、すまし汁の地域が多いものの,
京都をはじめとする関西地方のお雑煮は白味噌仕立て
鳥取や島根ではあずき汁仕立てだったりするそうです。
香川では白味噌汁に,あんこ入りの丸餅が入ったお雑煮が
スタンダードということですが本当でしょうか!?
(図は農林水産省HPより)
室町時代に晴れの日の食事として定着し
江戸時代に庶民の間に広まったといわれるお雑煮ですが
その土地で採れる一番の食材を使ってきた歴史があるということで
具材は地域によって実に様々です。
京都では里芋,広島では牡蠣,東北地方では山菜やきのこ
千葉では海苔,福岡ではブリやするめを入れる習慣があるといったように
具材から,各地域で昔から食べられていたものが垣間見られるようで面白いですね。
人や物の移動が当たり前になった最近では,お雑煮も地域単位というよりは
家庭単位で変容してきているといいますのでこの限りではないかもしれませんが
お正月にお雑煮を食べる機会あったら
そのルーツや背景をちょっと意識してみると楽しいかもしれません。
(あ)