2018年のノーベル賞の発表が日本時間2日から,始まっています。
そして,発表初日の生理学・医学賞で,
日本の
本庶 佑(ほんじょ・たすく)京都大学特別教授が受賞しました。
免疫チェックポイント阻害因子PD-1の発見とがん治療への応用に対する受賞で,
すでに,一般紙含め作用機序等,多々紹介されているところです。
Googleでどうぞ。
もちろん受賞は喜ばしく,
この研究をきっかけに開発された抗がん剤「
オプジーボ」に世間の注目が
集まっています(小野薬品の株価も急騰中)。
一方で私が興味深いな,と思ったのが,国立がん研究センターをはじめ,
「免疫療法に注意!」と警鐘を鳴らしていることです。
ノーベル賞:便乗に注意 免疫療法で呼び掛け 国立がん研 - 毎日新聞
便乗商法はどこの世にもあると思いますが,
こと癌に関しては価格も含めた影響力も大きく,このような周知は大事な
ことと思われます。
免疫療法自体,古くから提案されているものの科学的根拠が乏しいものが多い
ようで,この
オプジーボも,開発に際しては様々な経緯があったようです。
ノーベル賞・本庶佑氏と小野薬品「がん薬物治療革命」までの苦闘15年 | ダイヤモンド・オンライン
そして,日本発のこの画期的な薬剤も,注目されればされるほど影響力が大きく,
先日のこのブログの通り,繰り返し再算定され,来月1日からは最初の収載から
トータルで約1/4の価格となりました。
適応拡大等による措置ですが,逆に言えば,一人一人の患者に届きやすくなった
ともいえます。
ただ,売上だけでなく,薬価制度の枠組みを変えさせるほどのブロックバスターに
なった本薬ですが,いわゆる「免疫チェックポイント阻害剤」という仕組みを
持った薬剤もこの
オプジーボ(一般名:ニボルマブ)ほか,
ヤーボイ(同:イピリムマブ)
キイトルーダ(同:ペムブロリズマブ)
バベンチオ(同:アベルマブ)
テセントリク(同:アテゾリズマブ)
イミフィンジ(同:デュルバルマブ)
などが収載,既にしのぎを削っており,
オプジーボといえども安泰ではない
ようです。
一方,それぞれの薬剤で“効く”条件が異なる可能性が指摘されており,
その選択肢が増えることは患者にとってもうれしいポイントになるものと
思われます。
(わ)