昨日9月10日は,月刊誌『新薬と臨牀』9月号の発行日でした。
9月号も,投稿論文や編集部企画による連載ページなど,
盛りだくさんの内容となっております!
さて,編集部による連載企画 “メディカルスクウェア” では,
9月号でもさまざまな領域の原稿を掲載しています。
そのうちの1つ,国際医療福祉大学熱海病院 脳神経外科の篠永正道先生には,
「脳脊髄液減少症(漏出症)」についてご執筆をいただきました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが「脳脊髄液減少症(漏出症)」は,
その名のとおり,追突事故や転倒・転落,スポーツによる外傷などの衝撃により,
脳と脊髄の周りを満たしている脳脊髄液が漏出してしまうという疾患です。
脳脊髄液が漏出することで,身体にさまざまな影響を与えます。
主な症状として挙げられる“起立性頭痛”(起きあがるとひどくなり,横になると楽になる頭痛)のほか,
めまいや倦怠感などの症状がみられ,
天候(低気圧の接近)により症状が悪化することもあるそうです。
「脳脊髄液減少症(漏出症)」は,これら以外にも多彩な症状がみられること,
そして,既存の医学の教科書ではほとんど触れられることがないことから,
医療者の間でもこの疾患が周知されているとは言い難く,診断・治療が遅れてしまう
ケースもあるそうです。
一方で,2016年に「脳脊髄液漏出症」に対して“ブラッドパッチ療法”という治療法が
ようやく保険適用されたことで,徐々に医療者の間でもその認知度は高まりつつあります。
「脳脊髄液減少症(漏出症)」は何らかの衝撃を受けたことが原因となるので,
年齢や性別は関係ありません。
もし,ご自身や身近な人に思い当たる節があるようでしたら,
受診もしくは相談をされてみてはいかがでしょうか。
『新薬と臨牀』では,今後も「脳脊髄液減少症(漏出症)」のような,
実は医療者の間であまり認知度の高くない疾患についても積極的に取り上げ,
情報提供をしていきたいと思っています。
今後もご期待ください!
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