「小麦は食べるな」とか「腸に穴があく」とかちらほら聞きますね。
グルテン過敏症の話です。
グルテンとは小麦に含まれるたんぱく質のことで,
これが遅延型アレルギーを引き起こし,さまざまな症状が現れるという。
テニスプレーヤーのジョコビッチでも有名になりましたね。
専門家によっては,現代人でグルテン過敏症じゃない人はいない
とまで言いきっちゃってます。
たんぱく質は消化管でアミノ酸まで分解され,
小腸で吸収されるのですが,
言い換えれば,アミノ酸まで分解されないと,
まともに吸収できないのです。
このグルテンが,分解途中のペプチドまでしか分解されず
小腸に到達すると,抗原(敵とみなされる物質)とみなされ
アレルギー反応が起こってしまいます。
でもなんで小麦?いまさら。
1940-1960年頃に起きた緑の革命により,
生産量が10倍に品種改良された小麦が開発されました
(1本の茎にたくさんの穂をつけ,背が低い品種)。
現在流通している小麦はほぼ緑の革命以降の小麦だそうです。
これにより,小麦の価格は下がり,
安定供給が可能になったわけですが,
生産量10倍の品種改良の裏で,なんと
グルテンの含有量が40倍という目に見えない改良(”改良”じゃないか)
までされてしまっていたらしい。
パンはグルテン含有量の高い強力粉を主材料としているので,
グルテン量は半端ないですね。
遅延型アレルギーを誘発しやすい食品の
適正摂取量を週2回までとすると,
本来ならば 7日に2回 ならばアレルギーを起こす心配がなく安心して食べられる。
しかしグルテン量が40倍となると,
7×40日に2回つまり,
280日に2回=140日に1回
ならば大丈夫よということになります。
おいおい,3.5ヶ月に1回か,厳しいな。
だがしかし,小麦は現在あらゆる加工品に添加されているので,
どうやっても口に入ってしまうらしく,
意識して食べないくらいがちょうど良いとのことです。
グルテンフリーなんて健康オタクか意識高い系の女子の話で,
自分には関係ないと思っていましたが,
めちゃめちゃ関係あるかもですね。
ちなみに,緑の革命以前の小麦のことを総称して古代小麦といいますが,
グルテン過敏症よりさらに重篤なセリアック病の患者さんが古代小麦を食べても,
85-90%の患者さんで症状は現れないそうです。
この古代小麦,まったく流通していないわけではなく,
富澤商店などで1kg1000円くらいで売っています。
買わないけど。
(さ)