正月気分も抜けない1月初旬,カヌー競技の日本代表候補が,
ライバルの飲料に
禁止薬物を混入したことが発覚,
日本のスポーツ界に
衝撃が走りました。
カヌー禁止薬物混入 東京五輪に重い教訓 自国開催、期待が重圧に - 毎日新聞
既に様々な報道がなされており,詳細はそちらに譲りますが,
昨年日本選手初の陸上100m走で9秒台が出て,オリンピック機運も高まっている
時に残念なニュースでした。
ドーピングの行為,またその対象は,薬物の“指定”にかかわる
ところで,作用と機序をどこで線引きするのか,指定の時期の前後での
記録の取り扱いをどうするか,といった問題が常に付きまといます。
また,薬物のような化学的な外力でパフォーマンスを向上させることと,
用具やユニフォームといった物理的な外力での向上・差異において,
どれだけ公平性を保てるか(もしくは保つ必要があるのか)といった問いに
明快な結論を見つけるのは難しいでしょう。
そして今回のニュースは,そのドーピングの行為・対象以上に,
自分のあずかり知らぬところで混入されたという,人間関係や
管理上の問題もはらみ,いまや一大ビジネスと化した
スポーツを取り巻く問題の大きさ・複雑さが垣間見られます。
各競技を束ねる協会・団体では個々に選手に対する啓蒙や相談窓口を
設けているところもありますが,取り組み方などは様々で,かつ
そこで完結している様子もうかがえます。
日本陸上競技連盟~アンチ・ドーピング情報
日本水泳連盟~薬の相談
―等々。
今回のニュースは残念である一方,自国開催となる東京オリンピックに向けて
各競技で歩みよるチャンスとしてほしいものです。
(わ)