『新薬と臨牀』最新号(第12号)が12月10日に発行されました。
毎月ルーティンの仕事が大半を占めているせいか,はたまた年齢のせいか,
あっ! という間に今年の最終号です。
今年も残すところ,あと20日となりました。
さて,『新薬と臨牀』最新号の編集部企画ページ“メディカルスクウェア”では,
家族性高コレステロール血症や,心不全患者さんが合併する睡眠呼吸障害,
そして亜鉛欠乏症を取り上げています。
亜鉛欠乏症については,微量元素の栄養・代謝をご専門とされている
帝京平成大学の児玉浩子先生にご執筆をいただきました。
実は,これまでの医学教育では臨床栄養学を学ぶ機会が少なかったため,
“亜鉛欠乏症(低亜鉛血症)”については医師の間でも周知徹底されていなかったようで,
受診しても見逃されていたケースもあるそうです。
すでにご存じの方も多いと思いますが,
亜鉛は人間の体の栄養素として欠かせない16ある必須ミネラルの1つで,
体内の亜鉛が減少するとさまざまな症状が現れます。
症状は,皮膚症状や脱毛,食欲低下などのほか,
子どもでは低身長や体重増加不良といった成長障害,
成人では味覚障害や性欲減退などがみられます。
年配の方では,これらの原因が亜鉛欠乏にあると知らずに,
只々「年齢のせい」と思っている方もいるようです。
亜鉛は,牡蠣や煮干し,豚レバーといった魚介類や肉類,また豆類に多く含まれています。
上記の症状が気になって「ひょっとして亜鉛が足りていないかも」と思ったら,
これらの食材を意識的に摂ってみてはいかがでしょうか。
もちろん病院でしっかり診てもらうことも大切です。
また,お酒をよく飲む方は,アルコールの代謝に亜鉛が間接的に使われているほか,
アルコールは尿中への亜鉛の排泄を促しますので,体内の亜鉛量が減少してしまいます。
お酒を飲む機会が増えるこの季節,ツマミには亜鉛を多く含んだ料理を選んでみることをお勧めします。
『新薬と臨牀』編集部では,すでに来年3月号の編集作業に取り掛かっています。
(少し気が早いですが)来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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