医情研通信 Column & Blog

社員's topics

糖尿病治療の半分の法則

2017年6月22日

先日,糖尿病治療の勉強会に参加してきました。

新薬の臨床試験の成績に関することが主な内容で,
勉強会の序盤,糖尿病治療の現状について説明があり,
「Rule of Halves」という言葉を耳にしました。
「Rule of Halves」…,直訳すると「半分の法則」ですね。
この糖尿病治療における「半分の法則」というのをご存知でしょうか?

これは,すべての糖尿病患者さんを100%とした場合,
そのうち1度でも糖尿病と診断を受けたことのある人は50%で,
診断後,定期的に受診をしている人はその50%,
しかし,そのうち適切な治療を受けている人は50%で,
さらに,治療目標を達成している患者さんはそのうち50%,
ということだそうです。

糖尿病患者さん100人の場合,診断を受けた人50人→定期受診している人25人
→適切な治療を受けている人12~13人→治療目標達成約6人。
つまり糖尿病患者さん100人のうち,
しっかり治療ができている人は6人しかいないということになります。

糖尿病は診断を受けても,はじめのうちは自覚症状が現れにくいことから,
ついつい受診を後回しにしてしまう傾向があるらしいのですが,
そのまま放置しておくと,後々合併症が大きな問題となります。

糖尿病三大合併症の1つである糖尿病性腎症は,
現在日本において透析導入原因の第1位となっています
http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2016/p010.pdf)。
透析の導入は,患者さんはもちろんのこと,患者さんの家族にも精神的な負担や,
さまざまな制約が課せられることから日常生活を送るうえでも大きな負担となります。

そのほかにも,糖尿病を放置しておくことで,
糖尿病性網膜症による失明,糖尿病性神経障害による壊疽などを起こす可能性がありますので,
健康診断で糖尿病(予備軍)を指摘された際には,将来を見据え,
積極的に治療を進めていきたいものです。

(を)
コラム&ブログ Column 資料室 Archive 制作書籍 Books

Page Top