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お薬としてのシャンプー(続報)

2017年5月23日

急に30度を超す暑さになったり,かと思うと肌寒い日があったりと,悩ましいこの頃ですね。
1日の中でも昼間かいた汗が乾いて夕方体が冷えたりして,体温調節の難しい時期です。


ところで,本日は新薬の薬価告示日。
以前のブログで承認取得を紹介した「コムクロシャンプー0.05%」も告示されました。
医療用医薬品初の「シャンプー様外用液剤」のあまりの真新しさに,
その使用法に関して,以下続報させていただきます!


この「コムクロシャンプー0.05%」ですが,承認から薬価収載にかけて,
メーカーによる特設サイト等(※医療関係者専用です)で詳細が明らかになってきました。
想像以上によく考えられた製剤なのですね!


事前情報で「塗布して15分後に洗い流す」と聞いた時点では,
『もしかしたら,患者さんによっては“15分待つ”のがネックになるのでは……?』と思っていたのですが,

乾いた状態の頭皮に塗布する
■塗布後15分待つのは浴室の外,中どちらでも構わない
……ということのようなのです。
これにより,入浴前に服を着たまま塗布し,15分後に浴室に入って洗い流すなど,
自分に合ったやり方を採用できそうですね。

利便性患者評価の「15分待つことは許容できた」という設問に対し,
8割以上の患者が「全くそう思う」「少しそう思う」と回答しているのもうなずけます。



また,肌や髪のお手入れの観点でシャンプーにこだわる方も多いと思います。
普段,頭皮の健康や,髪の毛のツヤのためにお気に入りのシャンプーを使っている方は,
たとえ患部には良くても,慣れないシャンプーを使うのは抵抗があるかもしれませんね。

ところが,実は,

■洗い流すために他のシャンプーを併用する必要はないが,髪の毛のために追加で別のシャンプーやリンス等を使用してもよい

……のだそうです。
であれば,「コムクロシャンプー0.05%」はコンセプト通り“洗い流せるお薬”と考えて,
その後にいつものシャンプーその他を普段通り使うこともできそうですね!



そもそも,尋常性乾癬はステロイド剤の外用療法が基本ですが,
頭部や顔面では薬剤の経皮吸収率が比較的高く,局所性副作用が心配されるところです。

また,頭部には髪の毛の隙間からステロイドのローション剤等を塗布することになりますが,
特に患部が複数の箇所にあったりすると,うまく塗布するのが難しいそうです。
しかも,液剤がべたつくことがあり,QOLの点で問題がある場合も多いのだとか。

そこで,短時間だけ塗布して洗い流すという用法のシャンプー様外用液剤が誕生したのですね。
全体的に塗布でき,その後洗浄して患部に残さないというシャンプーの特性により,
頭部の尋常性乾癬治療の課題の解決をはかっているようです。
特に,患部が頭皮の広範囲にわたる場合の選択肢として歓迎されるのではないでしょうか。


しかし,若干気になる点も一つ……。

開封後,4週間以上経過したものは使用しない
という記載が添付文書にあります。
容器に125mL入りとはいえ,短い髪の方なら4週間で使いきれないこともあるかもしれません。

それでも,適正な使用のために,4週間ごとに受診して,このシャンプーを処方してもらうのが一番ですね!

(す)
※画像は米国バージョンの製剤です(販売名:CLOBEX)
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