今日4月20日は
「青年海外協力隊の日」だそうです。
1965(昭和40)年,
青年海外協力隊(JICA)が発足し,アジア・アフリカ・中南米を中心とする
発展途上国の国作りを支援する為に,満20歳から39歳までの人達がボランティアとして活躍しています。
ここで,発展途上国への支援と関連する製薬企業の取り組みがありましたのでご紹介します。
リンパ系フィラリア症の制圧に向けた取り組みの成果と継続支援を発表
-顧みられない熱帯病制圧をめざすロンドン宣言から5周年-
エーザイ株式会社は2012年1月に発表された
「ロンドン宣言」のもと,世界的な供給不足にあった
高品質の
「ジエチルカルバマジン(DEC)錠」を自社のインド・バイザッグ工場で製造し,
2020年まで22億錠を無償で提供する契約を締結していました。
そして今月18日にスイスのジュネーブで開催された
「ロンドン宣言」の5周年イベントにおいて,
2020年以降の
DEC錠提供を発表しました。
エーザイはこの活動を将来の市場形成に向けた長期的投資と位置づけていますが,人道的な観点からも
有意義な活動であると思います。
一方,国内に目を向けてみると,アストラゼネカ株式会社による薬剤の無償提供がありました。
アストラゼネカのタグリッソ®(オシメルチニブ),EGFR T790M変異陽性転移非小細胞肺がん治療薬として
国内における製造販売承認を取得
これは厚生労働省が定める
「保険外併用療養費制度」のもとで薬剤が無償提供されたものです。
適正使用を徹底するため,無償供給を希望した薬剤開発治験実施施設のうち,承認された適応,用法・用量に
従ってのみ使用することなどの条件下で行われました。
このことは肺がんの患者会のブログでも取り上げられていました。
NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ
タグリッソ倫理的無償提供の物語
最近の製薬業界では,論文データの改ざん疑いやカルテの閲覧問題など製薬企業のコンプライアンスや
規範が問われる問題が取り沙汰されていますが,そんな中でも病気で苦しんでいる患者のために薬剤を
無償で提供している企業もあります。
製薬企業としては様々な戦略に基づく無償提供なのだとは思います。ただそのことにより救われる患者が
いることも事実なので,広報活動が制限されてしまう可能性など難しい点もあるかとは思いますが,
このような取り組みがもっと増えて注目されていくことを願います。
(と)