明日3月24日は「世界結核デー」です。
ドイツ人の医師で,細菌学者のロベルト・コッホ氏が
1882年3月24日に結核菌の発見を発表したのにちなんで,
1997年の世界保健総会によって制定されたそうです。
今年で20年目を迎えます。
ちなみにこのコッホ氏,炭疽菌やコレラ菌も発見して,
1905年にノーベル生理学・医学賞を受賞し,
「細菌学の父」とも称されているすごい人なんです。
さて「結核」と聞くと,
小説や映画などでお目にかかる機会はあるものの,
現在ではあまり馴染みのない昔の病気(不治の病)というイメージや,
現代でも,衛生環境の整っていない一部の国々の感染症という印象を
お持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに・・・
終戦から現代にかけて結核による死亡率は急激に低下していますし,
患者数も軒並み減少しています。
また全世界的にみると,結核菌感染者はアフリカや南西アジアなどの
途上国に多くみられるようです。
しかし・・・
戦後,衛生環境の改善によって,市中での結核菌感染者が減少したことで
現代の日本では結核菌に対する抵抗力を持たない若い方が感染するケースや,
過去に結核に罹ったことのある高齢者が免疫力の低下により
再発するケースも少なくないそうで,
2015年に結核と診断された患者さんは約18万人に及び,
その年の結核による死亡者数は1955人(概数)であったそうです。
実際,米国や欧州諸国などの先進国と比べてみると,日本の罹患率は高いのです
(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000133822.pdf)。
すでにご存じの方も多いと思われますが,結核の初期症状は咳や発熱など,
風邪の症状と似ているため,結核菌の感染に気づきにくいことがあります。
ただし,これらの症状が2週間以上続いたら要注意!!
結核菌はいまも身近に存在していて,気づかないうちに自身が感染し,
身近な人にもうつしてしまうかもしれません。
病院に行き,一度診察してもらいましょう。
早めの治療により治りやすく,周りの人にうつしてしまうリスクも低くなります。
「結核は過去の病気ではない」ということを頭の片隅に置いて,
1年に一度(特にこの時期に)は思い起こしたいですね。
(を)