先日,チケットをいただいたのでクラシックコンサートに行ってきました。
曲目には珍しく「チューバ協奏曲」というものがあり,大きな楽器を抱えながらひとりで交響楽団を従え
時に激しく,時に繊細なメロディを吹き続けるチューバ奏者の姿を見ながら,管楽器って大変だなあ…
なんてことを考えていたところ,ふと昔流行った(?)循環呼吸という奏法を思い出しました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが,管楽器の演奏家のなかには,息を吐きながら息を吸うことで
息継ぎを省略させる「循環呼吸」という方法を用いて演奏をする方がいます。
楽器に口から息を送り込んでいる最中に,鼻から息を吸うことで途切れることなく音を鳴らし続けられる
そうなのです。わかりやすく例えるとストローで水を吹いてブクブク…とさせる行為を
永久的につづけられる技術といったところでしょうか。
大昔にその話を聞いた時には,これは面白そうだとすぐに練習を試みたものですが
そもそも「息を吐きながら吸う」という意味が分からず,すぐに断念した覚えがあります。
今回,20年ぶりにそんなことを思い出したので改めて循環呼吸について調べてみました。
すると,根本的に勘違いしていたことが1つ。
実際に息を吐きながら吸うことなど,一方通行である気道の性質上不可能であることから,
鼻から息を吸っている間は,頬を膨らませて口腔内に溜めておいた空気を一時的に送り込んでいるだけ…
ということでした!
考えてみれば当たり前なような…。当時はそうとも知らず,本気で同時に“呼吸”をしようとしていたので
何度試してもできるわけがありませんでした。日常生活の中で体の仕組みやルールについて
深く考えるようなことは少ないとはいえ,間抜けな話です。
さてこの循環呼吸,理屈は分かったのですが,やはり出来る気がしません!
もし習得できたとしても,楽器を吹かない限り大した得にはならなそうですが,せっかくなので
しばらく練習してみたいと思います。やり方次第では地味な一芸になるかもしれません。
ちなみに,日本でも有名なサクソフォン奏者のケニー・G氏は,この循環呼吸で45分以上も息継ぎなしで
演奏をし続け,この記録はギネス世界記録として認定されているそうです!
前述のストローを使った練習はなかなか有効だそうですので,
興味を持った方は,人目のないところでぜひチャレンジしてみて下さい。
(あ)