先月30日,新たに7つの疾患が「指定難病」として厚生科学審議会で了承されました。
すでに了承されている17疾患と合わせて,
24疾患が来年度からの指定を目指し,調整に入っているそうです。
順当にいけば,現在の306疾患を合わせて,330の疾患が
来年4月から「指定難病」の対象疾患となります。
「難病」というと,「治りにくい(治らない)病気」という解釈をお持ちの方がほとんどだと思います。
たしかにそのとおりなのですが,もう少し詳しくみてみると,
厚生労働省では下記の1~4を「難病」と定義しています。
1.発病の機構が明らかでない
2.治療方法が確立していない
3.希少な疾患
4.長期の療養を必要とする
さらに以下の5,6も含め,すべての条件を満たしたものが,
「指定難病」の要件にあてはまります。
5.日本での患者数が一定の人数に達していない(人口の約0.1%程度)
6.客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
冒頭でも触れたように,「指定難病」は厚生科学審議会で審議・了承され,
その意見を聴いて厚生労働大臣が指定します。
対象疾患に指定されたら,患者さんまたはご家族は都道府県へ申請手続きを行い,
認定を受けて,医療費が助成されます。
ちなみに,弊社発行の月刊誌『新薬と臨牀』では,今年1月号から「指定難病最前線」という連載を掲載しています。
それぞれの「指定難病」に深い造詣をお持ちの先生方に,対象疾患の特徴や,
最新の研究結果などをご紹介いただいています
〔昨日発行された10月号では,日本人の約0.004%(患者数約5,000人)にしかみられないという
「眼皮膚白皮症」という疾患が紹介されています〕。
「指定難病」の対象疾患は,先天的なものが多く,
患者さん本人はもとより,家族の経済的負担,精神的負担も少なくないと思います。
わが国の医療費の問題は,メディアなどでもたびたび取り上げられていますが,
1つでも多くの難病が指定され,1人でも多くの患者さんとそのご家族の負担が軽減できる,
そんな社会になってほしいと思います。
(を)