先日,「てんかん」に関連するメディアセミナーに行ってきました。
皆さんは「てんかん」というと,どのような印象をお持ちでしょうか?
“子どもの病気”や“意識を失い突然倒れてしまう”という印象を
お持ちの方も少なくないと思います。
たしかに子どものてんかん発作の発症率は年代別にみると高いのですが,
どの年代でも発作が起こる可能性はあり,
最近は高齢者でも増加しているそうです。
ちなみに,わが国のてんかん患者さんは推計100万人。
つまり約120人に1人,案外身近な疾患なのかもしれません。
さて,「てんかん」による発作は,大きく4つに分けることができますが,
てんかん発作として思い浮かぶのは,
体が硬直して突然倒れてしまう発作ではないでしょうか?
これ,強直間体(きょうちょくかんたい)発作と呼びます。
上述したように,わが国のてんかん患者さんの割合は
“約120人に1人”と推計されています。
そう考えると,街中や職場で,てんかん発作を起こしている人に
遭遇する可能性もあるわけです。
そこで今回は,その際の対処法について簡単に触れたいと思います。
強直間体発作を起こした際,その特徴の1つとして,
叫声(叫び声)を上げることがあります。
突然,近くにいた人が叫声をあげて倒れてしまえば,普通はびっくりしてしまいます。
とは言え,目の前に倒れた人がいれば,何とかしてあげたいと思うのもの。
まずは自分自身が,冷静に…冷静に…極力冷静に…
最初にすべきことは,倒れた人の安全確保(近くにある危険なものの排除など)です。
そののち,できれば頭と体を横向きにして,
頭の下に柔らかいものを敷いてあげるとよいそうです。
これは嘔吐したときに嘔吐物が詰まって窒息してしまうのを防ぐ処置です。
なお,体をゆすったり大声で話し掛けるなど刺激を与えることや,
口の中に物を入れることは,してはいけません。
以前は,“舌を噛まないように”との理由から
発作時にタオルやスプーンなどを口の中に入れることがあったそうですが,
窒息や口の中を傷つける可能性があるので,してはいけないそうです。
強直間体発作時の主な症状は,
硬直して倒れる(呼吸が止まる:顔や唇が紫に)→けいれんする(手足をガクガクさせる)です。
その後,朦朧としたり,そのまま眠ってしまうこともあるそうですが,
通常の場合,3分程度で治まります。
なお,てんかん発作で死んでしまうことは,まずないそうです。
いつなんどき,てんかん発作の現場に遭遇するか,わかりません。
日本てんかん協会のホームページには,より詳しく
てんかん発作に出会った際の対処法が掲載されています。
一度ご覧になってはいかがでしょうか。
↓
http://www.jea-net.jp/tenkan/hossa.html
いざ自分がその場に出くわしたら何ができるのか,
イメージどおりに行動できるのか,わかりませんが,
てんかん発作時の対処法を頭の片隅に置いておきたいと思います。
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