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この業界の中でも,医薬品の副作用の情報に触れる方々にとっては常識的な用語でも
ある「DSU」について。
DSUは,「Drug Safety Update」の略で,医薬品安全対策情報(情報誌)のことで
す。具体的には,日本製薬団体連合会の安全対策情報部会に参加している製薬メーカー
の医療用医薬品添付文書「使用上の注意」の改訂に関する情報をまとめたもので,1992
年11月に発刊され,2023年1月号で323号に達しています。全国の医療機関,調剤薬局
等に配付され,医療用医薬品を扱う医療機関等にとって「DSU」は重要な情報と位置付
けられています。
ちなみに,「DSU」は,薬効分類名,薬効分類番号,一般名,添付文書の改訂内容,
製品名,製薬企業名を掲載し,製薬企業からの報告,効能・効果・用法・用量の追加承
認に伴うもの,医薬品の再評価によるものなど改訂の背景を参考として附記しています。
また「DSU」は医薬品医療機構のホームページでも閲覧することができます。
<さらに詳しく>
医療医薬品の安全性に関する情報としては,緊急安全性情報(イエローレター),安
全性速報(ブルーレター)があります。「イエローレター」は,「ドクターレター」と
も呼ばれ,予期せぬ重篤な副作用が発現した場合に,厚生労働省の指示で製薬企業が該
当する医療機関等にMRを派遣し,直接配付して説明します。配付する用紙の色が黄色
なので,「イエローレター」と呼ばれ,最近では「ドクターレター」という呼称はあま
り使われていないようです。
「ブルーレター」は,イエローレターほど緊急性はないものの,迅速な安全対策を講
じる必要があるとして情報伝達する場合に,厚生労働省の判断を経て,製薬企業から配
付されるもの。こちらも配付される用紙の色から「ブルーレター」と呼ばれています。
なお「イエローレター」及び「ブルーレター」の内容は,厚労省の報道発表資料とと
もに医薬品医療機構のホームページに掲載されています。
ちなみに・・・
IT用語にもDSUなるものがあるようで,こちらは「ISDN などのデジタル回線を利用
するとき必要な装置のひとつ」だそうです。Digital Service Unit の略で,日本語では
「デジタル回線終端装置」と呼ばれているとか・・・。
ま,業界が違うので混乱することもないのですが,アルファベット3文字の略語の限
界(?)を感じる今日この頃。