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今回は製薬はもちろんのこと、医療やレセコン関係の業界にいれば、必ず耳にする言
葉。「薬価基準(制度)」についてです。
私たちが病院や診療所(医療機関)を受診すると、医薬品を処方されます。私たちは
その処方箋を持って薬局へ行き、お金を払って医薬品を受け取ります。しかし私たちが
払う医薬品の金額は、本来の価格の一部です。「サラリーマンは3割負担」とか、よく
聞きますよね。で、残りの7割の金額を払うのは、あなたが属する例えば健康保険組合
です。そして、健保組合など公的な医療保険者から保険薬局などに支払われる医薬品の
価格表(公定価格表)と医療保険で使える医薬品の品目表のことを薬価基準といい、こ
れは国が決めています。そうです。「医療用医薬品の価格は国が決めている」わけです
ね。
「国が決めている」-ここが重要。医薬品メーカーが開発した医薬品を国内で流通さ
せるためには、厚生労働大臣の製造販売承認が必要になります。このため医薬品メーカ
ーは新しい医薬品を開発すると、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保
等に関する法律(医薬品医療機器等法、旧薬事法)に基づいて医薬品医療機器総合機構
に医薬品としての承認、申請を行います。承認を受けて、厚労省に薬価収載の申請をし、
厚労省の薬価算定組織は、似たような医薬品(類似薬)の有無、医薬品の製造原価、類
似薬価格の加算適用の必要性など検討して薬価算定案を製薬メーカーに通知し、これに
不服がなければ厚労省は中医協に報告し、それが了承され・・・と、こんな幾多の段取
りを経て、医療用医薬品は薬価基準に収載されることになります。
ちなみに新薬の薬価収載は、1985年の日米協議(MOSS協議)の結果、年4回収載す
ることになりました。
というわけで、薬価基準とは、医療保険者から医療機関や保険薬局などに支払われる
医薬品の価格表(公定価格表)のことです。細かい用語というよりは、イメージで覚え
ちゃお!
ち・な・み・に・・・。「国が価格を決めている」と聞いて真っ先に思い出すのが、
「お米」。確か小学校で「米の値段は国が決めている」と教わったのですが、ご存じの
とおり米の価格を政府で決める食料管理法は1995年に廃止されました。