医情研通信 Column & Blog

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デンタルフロスあれこれ

2022年12月15日

今年は歯のメンテナンスに明け暮れた一年でした。
毎食後,デンタルフロスに歯磨きにフッ素コーティングに洗口液にと大忙し。
歯のために生きているのではないかと皮肉に思うこともありましたが
最近は習慣化してきて,無の境地でせっせと作業しています。

ご存じの方も多いと思いますが,デンタルフロス(フロス)は
通常の歯磨きでは行き届かない歯と歯の間の歯垢を除去するための補助用具で
口内が健康な人もできれば毎食後に,最低でも1日に1回はフロスでの歯垢除去を
行ったほうがよいといわれています。

これまでは何となく気まぐれで使っていたフロスですが,あれこれ買い込んで調べてみたところ
色々な種類があり,そしてちゃんと使い方があることがわかりました。

糸巻き型 or ホルダー型

まずフロスの形態について。
ホルダー型は,使い捨てのフロスに持ち手がついているタイプで,歯ブラシのように片手で使えるため
初心者の方でも使いやすいそうです。
一方,糸巻き型は自分の好きな長さに切って使用できるタイプで衛生的&経済的。
また糸の種類が豊富なので自分の歯間に合ったものが選べます。

ワックスタイプ or ノンワックスタイプ

糸巻き型のフロスにはワックスタイプとノンワックスタイプ,またエクスパンドタイプのものがあります。
フロスの繊維をワックスでコーティングしているワックスタイプのものは
糸がツルツルしており歯間に入りやすいため
歯間が狭い人,歯に被せ物がある人、初心者にはお勧めとのこと。
ただ歯垢を掻き出しやすいのはノンワックスタイプだそうです。
さらにノンワックスタイプのうち,唾液や摩擦で繊維がスポンジのように膨らむエクスパンドタイプがありますが
個人的にこれは秀逸だと思いました。
歯の間でふわふわの繊維になったフロスが汚れをしっかり掴んで除去してくれるので爽快です。
ただ糸が太いので歯間が狭いところには入らなかったり,繊維が歯に絡まったりする場合があります。
上手く入らない場合は無理に使わず,自分にあった太さのフロスを使用するようにしましょう。

●フロスの使い方

自分の歯にあったフロスを見つけたら,歯と歯の間に通していきますが,このときフロスは一気に押し込まず
ノコギリのように左右に行き来させ,歯の側面をこすりながら歯茎のほうまで
少しずつ移動させるというのが正しい使い方のようです。
また糸を取り出すときも少しずつ行き来させながら歯の表面まで移動させ,
歯の表面から取り外すとよいそうです。

●歯間ブラシとの関係

フロスが歯の側面についた歯垢を除去するという特徴に対し,歯間ブラシは歯間の下,歯茎の部分の歯垢を
除去するためのグッズです。調べたところ,フロスでは対応できないほど歯間があいている場合に必要なもので
歯間が狭い人や若者は基本的にフロスだけで大丈夫なようです。
歯間ブラシにも素材やサイズが様々あるようですので,また追って調べてみたいと思います。

年齢を重ね,もはや虫歯よりも歯周病が脅威になってきました。
実際に歯周病と糖尿病や心血管疾患,関節リウマチ,認知症などの全身疾患には
因果関係があると
いう報告もあるそうですので
(ご興味のある方は『新薬と臨牀』第71巻9号【高齢者診療Up To Date No.16】をぜひご覧ください)
早いうちからの地道なお手入れが重要になってくるのではないかと思っています。

ちなみに,お手入れはデンタルフロス→歯磨き→洗口液の順番が一番よいそうですよ。

来年も引き続き「80歳での残存歯数20本以上(通称゛8020“)」という遠い目標に向け,
歯のメンテナンスに励みたいと思います。

(あ)
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