今年も早いもので,あと一月を残すのみとなりました。
年々,一年が過ぎるのが早くなっているような気がします。
さて,11月は年内最後の新薬の薬価収載がありました。
それらの中で,インタビューフォームで名称の由来が調べられた品目をご紹介します。
■リバゼブ配合錠LD(YJコード:2189103F1029)
■リバゼブ配合錠HD(YJコード:2189103F2025)
本剤はピタバスタチンカルシウム水和物(製剤名:LIVALO)とエゼチミブ(EZETIMIBE)の合剤であることから命名した。
■エザルミア錠50mg(YJコード:4291079F1026)
■エザルミア錠100mg(YJコード:4291079F2022)
作用標的部位EZH1/2とharmony(ハーモニー)に由来する。
■コセルゴカプセル10mg(YJコード:4299004M1025)
■コセルゴカプセル25mg(YJコード:4299004M2021)
Koselugoのseluはセルメチニブを由来として命名している。
■アムヴトラ皮下注25mgシリンジ(YJコード:1290401G1021)
アムヴトラ(Amvuttra)の名称は,Am[アミロイドーシス(Amyloidosis)との関連性],vut[有効成分であるブトリシラン
(vutrisiran)],ttr[疾患の原因となるトランスサイレチン(TTR)との関連性]に由来する。
■テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(YJコード:2290403G1025)
複数の炎症経路の起点となるTSLPを阻害する「Tezepelumab」により,患者さんのもっと良くなりたいという想いを呼び起こさせ
(Inspire),喘息で苦しむひとがいない未来を願う(Aspire),という意味を込め「TEZSPIRE」とした。
■オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg(YJコード:2439403A1020)
オスタバロ(OSTABALO)は骨粗鬆症を示す「Osteoporosis」の「OST」,「Abaloparatide」の「ABALO」から由来する。
■スペビゴ点滴静注450mg(YJコード:3999466A1026)
一般名のSpesolimabとInvigoratingを掛け合わせた。Invigoratingには爽快感,活力を与えるという意味があり,臨床試験で実証された
スペソリマブの治療効果により,膿疱性乾癬で苦しむ患者さんを不安から解放し,日々の生活への活力を与えることに貢献できるように,
との思いを込めた。
■ナノゾラ皮下注30mgシリンジ(YJコード:3999467G1023)
NANOBODY+Ozoralizumabから命名した。
■メンクアッドフィ筋注(YJコード:6311402A1028)
海外の名称に準じた。
■ベリナート皮下注用2000(YJコード:6343426D1023)
Behringwerke社(社名)+inert(=inactive→C1-inactivator)⇒Berinert
■グラアルファ配合点眼液(YJコード:1319826Q1020)
本剤はRhoキナーゼ阻害薬であるグラナテック(GLANATEC)点眼液0.4%の有効成分である
リパスジル塩酸塩水和物とアルファ(ALPHA)2作動薬であるブリモニジン酒石酸塩の配合剤であることから命名した。
今回の新薬の名称にも様々な由来がありますが,中でも「テゼスパイア」と「スペビゴ」は患者さんにも
想いを馳せた奥が深い名前ですね。
(と)