朝,目が覚めたら左親指の第一関節が曲がらなくなっていたのは去年の7月。
近所の整形外科でやや重症の「ばね指」との診断を受け,
とにかく指を使わないように,と言われたのでした。
その後一向に良くなる気配はなく,痛みもあり,
いずれ関節へのステロイド注射を検討しましょう,と言われました。
が,この注射,医師や経験者の話によると,とにかく痛いらしいのです。
しかも,そんなに痛いのに再発する可能性が高く,
二度三度と繰り返すようなら手術を,とのことでした。
そんなに痛い思いをするのに再発,
手術の可能性もあるなんて割に合わないではないですか。
ほかに何か治す手立てがあるのでは?と検索したところ,
「ばね指の治療やってます」という“整体院”をいくつか見つけました。
中には怪しげなところもあったのですが(個人の感想です),
信用できそうなところを訪ねて診てもらったところ,
治るうえに再発の恐れもないとのこと。
ありがたいではないですか。
ではどんな治療をしたかというと,それが失礼ながら大したことではなく。
親指の長さ・形状に合わせた板状のギプスを作ってもらい,
それを2か月の間,入浴時以外は付けておく,というもの。
要は使いたくても使えない状態にして,徹底的に休ませるんですね。
もちろん,親指はまっすぐの状態で固まっていきます。
で,2か月後にエコーで腱の状態がよくなっていることを確認してもらい,
今度は珪藻土でできているという高さ4センチほどの
取っ手のないミルクピッチャー様のものを渡され,
あとはひたすらリハビリをしてください,と言われました。
そのミルクピッチャー様のものを握り,
上部に親指の第一関節をひっかけて繰り返し曲げ伸ばしをするだけです。
面白いのはばね指ではない右の親指も同様にするようにと言われたことでした。
左右両方やることで回復が早まるのだそうです。
もうひとつ,ついやりたくなってしまう,
指の付け根のあたりのもみほぐしは厳禁,とも言われました。
まったく違和感なく動かせるようになるには10か月ほどかかるとのこと。
いま,ちょうど4か月が過ぎたところですが,
早くもさほど違和感なく動かせるようになっています。
もちろん,痛みもありません。
家ではもちろん,電車の中でも,映画館でも,
せっせとやった甲斐がありました。
2カ月も固定するなんて大変でしたね,と言われますが,
その不自由さの記憶はもうありません。
年を取るってありがたいですね。
ただ,気をよくしてサボるとまた硬くなります。
というわけで,今もこの原稿を読み返しながら,
せっせと親指の曲げ伸ばしに励んでいます。
(梅)