以前のブログでも
記事にしましたが,この時期発表されるイグ・ノーベル賞,
毎年気にして見守っています。
※イグ・ノーベル賞
1991年に創設された,「人々を笑わせ,そして考えさせてくれる研究」
に与えられる賞で,"表のノーベル賞"に対して"裏ノーベル賞"とも言われています。
日本の「カラオケ」や「たまごっち」,「バウリンガル」といった商品でも受賞。
日本はイギリスと並び,受賞常連国で,創設者によれば,
「多くの国が奇人・変人を蔑視するなかで,日本とイギリスは誇りにする風潮がある」
という共通点があるのだとか……。
そして先月9日行われた,第31回のイグ・ノーベル賞受賞式。
なんと今年も日本人受賞者が! これで15年連続となります。
受賞したのは,京都工芸繊維大学の村上久助教,長岡技術科学大学の西山雄大講師ら4人で,
「動力学賞」としての受賞になります。
(「
科学的な発見、日常から」新潟日報HPより)
評価されたのは,「なぜ歩行者はお互い時々ぶつかるのか」という,
歩きスマホが周りの歩行者の通行にも影響を及ぼすことを明らかにした研究。
一見,当然のようにも思えますが,
群衆の中でスムーズな歩行を行うには,
予期が一方向ではなく双方向で行われる“相互予期”が必要
という,相手の行動を読む「予期」と集団との関係の検証を初めて行ったものです。
歩きスマホの研究と聞くと親しみがわきますが,
今後渋滞の緩和策にも生かされそうな,とても有意義な研究ですね。
なお,2020年度イグノーベル賞を受賞した日本人は,京都大学霊長類研究所の西村剛准教授で,
「ワニも、ヒトと同様に、ヘリウムガスを吸うことで声が変わる」
原理を明らかにした研究により,音響学賞をウィーン大学のメンバーと共同受賞しています。
また,今年度は,本家のノーベル賞でも日本人の受賞が決まりました。
物理学賞を受賞した米プリンストン大の真鍋淑郎氏は,受賞に際し,
「
研究を始めたころは、こんな大きな結果を生むとは想像していなかった。
好奇心が原動力になった。後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めた時には
その貢献の重要さに誰も気付かないものだと思う」
とおっしゃっています。
(「
真鍋淑郎さんの印象的な言葉を紹介「はやっている研究に走らずに」」朝日新聞デジタルより)
イグノーベル賞も,まだ見ぬ大発見を生み,いずれ本当のノーベル賞へとつながるかもしれませんね。
知的好奇心は脳を活性化し,認知症予防にも効果があるといわれています。
ノーベル賞にもイグノーベル賞にも縁がない一般人の私も,
好奇心を持っていろんなことにチャレンジしてみたいと思います!
(す)