先日,帯状疱疹に関するメディアセミナー(主催:武田薬品工業)に行ってきました。
ご存知の方も多いと思いますが,帯状疱疹は水疱瘡(みずぼうそう)を引き起こした
ウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス:VZV)が原因で発症します。
このウイルスは,健康なときは体内でおとなしくしているのですが,
加齢やストレスなどにより免疫力が低下すると,活発になり帯状疱疹を引き起こします。
国内では年間約60万人が発症するとされ,特に50歳以上で発症率が高くなりますが,
若い方でも油断は禁物です(私は30歳代で帯状疱疹になりました)。
身体の左右いずれかにピリピリするような痛みを感じたら,
迷わずに,“すぐに”病院に行くことをお勧めします!
帯状疱疹という名称から,「(帯状の)皮膚症状が出てから病院に行けばいいだろう」と
考える方もいらっしゃるかもしれませんが,
ピリピリするような痛みを感じた時点で,すでに帯状疱疹の症状は出ています。
そして,なぜ,“迷わずに”,“すぐに”かというと,帯状疱疹の治療はもとより,
帯状疱疹の治療後に厄介な症状が出てくる可能性があるからです。
帯状疱疹は皮膚症状がみられるため皮膚疾患の印象が強いのですが,神経疾患の1つです。
そのため,帯状疱疹の発症後,早い段階から適切な治療を受けないと,
皮膚症状が消えた後も数カ月~数年にわたって,痛みが長引くことがあります。
これが先ほど厄介な症状といった,“帯状疱疹後神経痛”と呼ばれるものです。
帯状疱疹後神経痛は
“針で刺されるような痛み”,
“電気が走るような痛み”,
“衣服が擦れたり,冷風にあたったりするだけで走る痛み”
などと表現され,
患者さんのQOLを著しく低下させてしまうそうです。
また,皮膚症状が治まった後も痛みは続くため,
(見た目は何ともないので)なかなかその痛みを理解してもらえないという
精神的な辛さもあるようです。
さらに,帯状疱疹後神経痛は一般の方はもとより,
医療者の間でもあまり認知度が高くないため,
診断までに時間がかかってしまうこともあるとのことです。
“針で刺されるような”,“電気が走るような”,想像しただけでもゾッとしてしまいますが,
早期の治療により,この帯状疱疹後神経痛の発症を抑制することができるそうです。
皮膚症状は,ピリピリするような痛みのあとに出てくることがあります。
もし身体の左右いずれかにピリピリとした痛みを感じたら,すぐに受診することをお勧めします!
簡単に帯状疱疹後神経痛について書いてみましたが,
まずは帯状疱疹にならないよう,(現代社会ではなかなか難しいかもしれませんが)
できるだけ疲れやストレスを溜めずに生活をして,健康を維持していきたいものです。
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