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認知症発症率の性差

2019年6月6日

人生100年時代なんて言いますよね。

先日たまたま見つけたこんな報告書↓

金融審議会市場ワーキング・グループ
「高齢社会における資産形成・管理」
     報告書(案)

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190522/01.pdf

内容は,高齢社会の中でどのように資産管理を行っていくべきかというものなのですが,
私が目にとまったのはそこではなく,報告書にあったあるグラフでした。

それがコレ↓↓↓↓
横軸に年齢,縦軸に認知症有病率を表したグラフで,
高齢とともに認知症患者がこんなに増えてますよ,
というのを伝えるグラフなのですが,気になったのはその性差!

よく「65歳以上の4人に1人が認知症」なんてざっくり聞いたことはありましたが,
ちょっとまて,と。

なんなんだこの性差。

80~84歳女性の24.2%はまだいい。
その後,女性の有病率はぐんぐん上がっていき。。。
95歳以上の83.7%って。
男性は50.6%にとどまっているのに。。。

で,さらにぐぐってみたところ,
この発症率の性差には,エストロゲンの減少が関係しているらしい。

by 横浜市立大学大名誉教授の田中冨久子先生

女性は閉経後,エストロゲンが急激に減少し
脳の老化が促進されてしまうらしい。

アセチルコリンは脳内で情報を伝達する重要な神経伝達物質ですが,
エストロゲンは,脳内のアセチルコリン神経細胞に結合して
大脳新皮質や海馬でのアセチルコリンの分泌を増やす働きをしているため,
エストロゲンの欠乏はアセチルコリンの分泌低下をもたらす,と。

更年期障害云々ではなく,生きている以上
ホルモン補充療法はした方が良いとのことですよ。

そうね,更年期障害もつらいだろうけど,私はその後の認知症の方がこわい。

(さ)
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