先日,爪白癬に関するセミナーに参加してきました。
いわゆる爪水虫です。
水虫は,角質や爪にあるタンパク質(ケラチン)が大好物のカビの一種“白癬菌”が
原因となる感染症の1つです。
そして白癬菌は,ジメジメ,ムシムシとした環境で増殖していきます。
日本では高温多湿を迎える6月頃から,また革靴などの通気性の悪さが,
彼ら(白癬菌)にとっては好条件の環境となります。
では,日本にはどれくらい水虫の人がいるのかというと,
なんと! 5人に1人が足水虫(=足白癬)に,そして10人に1人が爪水虫に
感染していると推定されています。
ちなみに爪水虫は,足水虫から感染することが多いそうです。
足水虫は,入浴施設やプール,スポーツジムなど,
不特定多数の人が利用する足ふきマットやスリッパに,水虫の人が白癬菌を落としていき,
その白癬菌を踏んだまま放置した結果,感染することが少なくないようです。
白癬菌は,付着即感染というわけではないので,
感染予防には家に帰ったら足を洗うことが効果的です。
また,旅行で温泉を利用した人も,(少し興ざめですが)自室に戻ってから
室内のシャワーで流すことをお勧めします。
さらにもっと身近なところでは,家族のなかに水虫の人がいると,
バスマットや共用のスリッパなどから,これまた感染することがあります。
家族間の感染率は,決して低くはありません。
足水虫と爪水虫の両方を抱えている人もいるわけですが,
その場合,爪水虫を完治させなければ,足水虫も完治できないのだそうです。
特に,爪水虫の場合,足水虫とは違い市販薬では治療ができないため,
病院で薬を処方してもらう必要があります。
冒頭でも書きましたが,水虫は感染症です。
もしご自身が水虫だとしたら,ほかの人にうつしてしまう可能性が十分にあるわけです。
大切な家族にうつさないためにも「ひょっとして水虫かも!?」と思ったら,
一度皮膚科を受診されてみてはいかがでしょうか。
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