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葡萄の可能性

2017年9月26日

もう10月が近づき,かなり涼しくなってきましたね。
気持ち良い気候でレジャーにも最適な季節です。


毎年この時期はおいしい果物が多く,目移りしてしまいます。
梨,葡萄,もう少ししたら柿も収穫時期を迎えますね!

葡萄の中でも,最近はシャインマスカットの台頭がめざましいですね。
ここ数年,スーパー等でも巨峰同等に多く見かけるようになってきました。
2006年に品種登録されたシャインマスカットは,交配により既存の品種の欠点を克服し,
大粒で甘く味が良い上,種なしで皮ごと食べられるという,個人的には夢のような葡萄です。
種なし処理などにとても手間がかかるそうで,高級なフルーツですが,
以前よりも少しずつ買いやすい価格になってきており,うれしい限りですね!



この「ぶどう」の名,直接関係しない場合もありますが,医療関係でもよく耳にしますね。

黄色ブドウ球菌」など,ブドウ球菌の名前の由来はラテン語の「葡萄の房」からきており,
光学顕微鏡下で観察するとそのように見えるためだそうです。
また,「ぶどう膜炎」を起こすぶどう膜は,眼の中間部を構成する層で,
これもラテン語の「葡萄」に由来するようです。
かつては,眼球の外側の皮の下には葡萄のような構造が残ると考えられていたためなのだとか。


薬価収載品にもありますよ!
「ブドウ糖」,そして「ブドウ酒」です。
(現在収載されているものはすべて「ブドウ」とカタカナ表記です)

ブドウ糖」は,栄養・水の補給にも,注射剤の溶解希釈剤としても欠かせない医薬品ですね。
その名の由来は,
「熟した葡萄の果汁に多く含まれていたから」
「化学式の形状が葡萄の房に似ていたから」 …など諸説あるようです。

ブドウ酒」の適応は「食欲増進,強壮,興奮」「下痢」「不眠症」「無塩食事療法」。
組成は「葡萄又はその他の品変種の果実を発酵して得た果実酒」で,
「エタノール11vol%以上14vol%未満」……。
……そのまんまワインですが,れっきとした医薬品です。


品種改良によって生み出された,大人気のシャインマスカット。
現在は,さらに交配が研究され,その子孫である新種も育成されつつあるのだとか。
葡萄の可能性はまだまだ未知数ですね!


(す)
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